ウルシの木の活用プロジェクト
未活用のウルシの木に新たな価値を生み出す取り組み
漆とウルシの木を取り巻く現状
現在、日本で使われている漆は残念ながら95%以上は輸入に頼る状況にあります。
しかし一方で、近年、重要文化財の修復用などを中心に国産漆の需要は急増しています。
需給バランスがひっ迫するなか、全国でウルシの木を植える活動が始まりました。
苗を植えてから漆掻きができるまで育てるには約15年。
実はウルシの木の栽培はとても手間がかかります。適度な日当たり、水はけを維持し、施肥や下草刈りも必要です。このような費用や作業は、多くの場合、ボランティアの善意によって支えられています。
漆掻き職人の高齢化、後継者不足も大きな課題です。
その要因のひとつが、漆掻きという仕事だけで生計を立てていくのが難しいことにあります。漆掻きは主に夏から秋にかけての仕事です。現状、多くの漆掻き職人たちは、ほかの冬場の仕事と兼業しています。以前、冬場は酒造りの蔵人として働く職人さんを取材しました。また、リタイア後にシニア就業をしているケースも珍しくありません。
現在、漆産地では、若手の漆掻き職人の育成に取り組んでいます。
「ウルシの木の活用プロジェクト」は、未活用のウルシの木を商品化=収益化して、
漆掻きやウルシの木の植栽に従事する方たちの収入源をサポートすることを目標としています。
しかし一方で、近年、重要文化財の修復用などを中心に国産漆の需要は急増しています。
需給バランスがひっ迫するなか、全国でウルシの木を植える活動が始まりました。
苗を植えてから漆掻きができるまで育てるには約15年。
実はウルシの木の栽培はとても手間がかかります。適度な日当たり、水はけを維持し、施肥や下草刈りも必要です。このような費用や作業は、多くの場合、ボランティアの善意によって支えられています。
漆掻き職人の高齢化、後継者不足も大きな課題です。
その要因のひとつが、漆掻きという仕事だけで生計を立てていくのが難しいことにあります。漆掻きは主に夏から秋にかけての仕事です。現状、多くの漆掻き職人たちは、ほかの冬場の仕事と兼業しています。以前、冬場は酒造りの蔵人として働く職人さんを取材しました。また、リタイア後にシニア就業をしているケースも珍しくありません。
現在、漆産地では、若手の漆掻き職人の育成に取り組んでいます。
「ウルシの木の活用プロジェクト」は、未活用のウルシの木を商品化=収益化して、
漆掻きやウルシの木の植栽に従事する方たちの収入源をサポートすることを目標としています。
個性ある木材
木を使った商品は身の回りにたくさんあります。ウルシの木の商品化も比較的簡単なように思われるのですが、実はなかなか一筋縄ではいきません。
ウルシの木材はほとんど流通していません。
木材用としては早すぎる10-15年で伐採してしまうため、あまり大きな木はないのです。また、漆掻き後でも樹皮の下には漆が残っているので作業中にかぶれる可能性があり、通常の製材・木工業者は取り扱いをしません。
そもそも、一旦はウルシの木は絶滅に近い状況まで少なくなってしまったので、現状は原木が潤沢にあるわけでもありません。
やはり、流通していない背景には理由があるのです。
しかし、やわらかな木の風合いと優しい黄色には心惹かれます。草木染めの一種「ウルシ染め」の染料として利用される場合もあり、その染め物には抗菌効果があることも分かっています。
茨城県奥久慈漆生産組合で作られている、ウルシの木を漆染めした植木鉢
ウルシの木材はほとんど流通していません。
木材用としては早すぎる10-15年で伐採してしまうため、あまり大きな木はないのです。また、漆掻き後でも樹皮の下には漆が残っているので作業中にかぶれる可能性があり、通常の製材・木工業者は取り扱いをしません。
そもそも、一旦はウルシの木は絶滅に近い状況まで少なくなってしまったので、現状は原木が潤沢にあるわけでもありません。
やはり、流通していない背景には理由があるのです。
しかし、やわらかな木の風合いと優しい黄色には心惹かれます。草木染めの一種「ウルシ染め」の染料として利用される場合もあり、その染め物には抗菌効果があることも分かっています。
茨城県奥久慈漆生産組合で作られている、ウルシの木を漆染めした植木鉢
異分野協働、産学協働の取組をスタートしました
FEEL J㈱は日頃より、漆文化と異分野を繋ぎ、新たな価値や交流を生み出すことをモットーとしています。本プロジェクトにおいても同様です。投げかけに応えて、多方面の企業・大学・研究機関・個人の方からご関心をお寄せいただき、意見交換などを行いました。
そしていま、実際にいくつかの取り組みがスタートしています。
まずは産学協働の取り組み。
拓殖大学 工学部 デザイン学科 永見豊准教授の研究室では、ゼミの学生が
ウルシの木の特性把握と商品デザインに取り組んでくれました。
産業能率大学 経営学部 番田清美准教授のゼミでは、ウルシの木を活用した商品アイデアとそのマーケティングを国内外で実施。
2020年10月には、両大学と日本最大の漆産地である岩手県で活動する一般社団法人次世代漆協会 他の企業団体をオンラインでつないで合同ミーティングを開催しました。
また、新潟のワイナリー「フェルミエ」と、FEEL J㈱が運営するワインのための漆器ブランド「アール・ド・テロワール」によるワインと漆器の限定コラボセットの中に、ウルシの木のチャームがついた専用ポーチが採用されました。
ポーチの生地には新潟の伝統工芸「亀田縞」が使われています。
葡萄の木と日々向き合い、自然の営みを尊重しながらワインを醸す「フェルミエ」さんは、ウルシの木にも温かい関心を寄せてくださり、この企画が実現しました。
木材は、前述の(一社)次世代漆協会のほか、茨城県の奥久慈漆生産組合にもご協力をいただいています。プロジェクト立ち上げの最初のきっかけになったのは、奥久慈の漆掻き職人岡慶一さんとのお話からでした。
ウルシの木の商品開発・試作製作においては、漆の植栽活動仲間でもある埼玉のThinkaWorksさん、「縄文うるしパーク」さんに、大変ご尽力いただいており、現在も新たな商品を開発中です。
このプロジェクトはただ単に商品を作るだけではなく、その過程を幅広い分野の方々と取り組むことによって、漆文化とウルシの木への理解や地域交流を深め、漆産業を次世代に続く持続可能な産業として育てていくことを目的としています。
この考え方は、SDGs(持続可能な開発目標)の活動にも貢献します。
2021年はこの取り組みをより多くの方に知っていただくために、クラウドファンディングを実施。 多くのご支援をいただきました。ありがとうございました。
2021年の活動については 「ウルシの木の活用プロジェクト」2021 もぜひご覧ください。
今後も次の企画や協働が予定されています。どうぞご期待ください。
また、協働にご興味のある大学・企業・団体の皆様からのご提案・お問い合わせも承っています。
<本プロジェクトに関するお問い合わせ先>
Email: mail@feelj.jp
FEEL J株式会社 代表取締役 加藤千晶
そしていま、実際にいくつかの取り組みがスタートしています。
まずは産学協働の取り組み。
拓殖大学 工学部 デザイン学科 永見豊准教授の研究室では、ゼミの学生が
ウルシの木の特性把握と商品デザインに取り組んでくれました。
産業能率大学 経営学部 番田清美准教授のゼミでは、ウルシの木を活用した商品アイデアとそのマーケティングを国内外で実施。
2020年10月には、両大学と日本最大の漆産地である岩手県で活動する一般社団法人次世代漆協会 他の企業団体をオンラインでつないで合同ミーティングを開催しました。
また、新潟のワイナリー「フェルミエ」と、FEEL J㈱が運営するワインのための漆器ブランド「アール・ド・テロワール」によるワインと漆器の限定コラボセットの中に、ウルシの木のチャームがついた専用ポーチが採用されました。
ポーチの生地には新潟の伝統工芸「亀田縞」が使われています。
葡萄の木と日々向き合い、自然の営みを尊重しながらワインを醸す「フェルミエ」さんは、ウルシの木にも温かい関心を寄せてくださり、この企画が実現しました。
木材は、前述の(一社)次世代漆協会のほか、茨城県の奥久慈漆生産組合にもご協力をいただいています。プロジェクト立ち上げの最初のきっかけになったのは、奥久慈の漆掻き職人岡慶一さんとのお話からでした。
ウルシの木の商品開発・試作製作においては、漆の植栽活動仲間でもある埼玉のThinkaWorksさん、「縄文うるしパーク」さんに、大変ご尽力いただいており、現在も新たな商品を開発中です。
このプロジェクトはただ単に商品を作るだけではなく、その過程を幅広い分野の方々と取り組むことによって、漆文化とウルシの木への理解や地域交流を深め、漆産業を次世代に続く持続可能な産業として育てていくことを目的としています。
この考え方は、SDGs(持続可能な開発目標)の活動にも貢献します。
2021年はこの取り組みをより多くの方に知っていただくために、クラウドファンディングを実施。 多くのご支援をいただきました。ありがとうございました。
2021年の活動については 「ウルシの木の活用プロジェクト」2021 もぜひご覧ください。
今後も次の企画や協働が予定されています。どうぞご期待ください。
また、協働にご興味のある大学・企業・団体の皆様からのご提案・お問い合わせも承っています。
<本プロジェクトに関するお問い合わせ先>
Email: mail@feelj.jp
FEEL J株式会社 代表取締役 加藤千晶