「ウルシの実」のはなし
最近、キャンプやトレッキングが大人気ですね。
「山に行くときには漆にかぶれないように気をつけて」と言われたことはありませんか?
実はウルシ科の植物はいろいろあります。
そのなかで漆を採取することができるのは「ウルシノキ」。
とはいえ、都会にお住いの方はもちろんのこと、里山周辺の方も、山登りをされる方も、ウルシノキを正確に把握されている方は少ないですよね
晩秋から冬を迎える今の季節、ウルシノキを見分けるのに有効な季節なのです。
キーポイントは実です!
葉が落ちて、実だけが木にぶら下がっていますので分かりやすい。小さい葡萄のように房になっています。
先日水戸で開催された「うるしフェスタ」に、似た者同士の実が3種類、展示してありました。
これは分かりやすいですね!
「ウルシ」と書かれているのがウルシノキの実です。
ちなみに、ハゼの実もウルシノキによく似ていて、もう少し大きめです。ハゼも樹液に触れるとかぶれますのでご注意を。
なお、実がなるのは雌木のみで、雄木にはなりません。
樹木にもオスとメスがあることを、漆について学んで初めて知りました!
江戸時代までは、この小さな実から蝋を採ってロウソクを作っていました。
実の中に種が入っていて、その種を覆う蝋成分を採取するという、なんとも地道な作業です。現代の和ロウソクは、ハゼの実から作っています。大変な仕事であることに変わりはないですね。
山で「ウルシノキ」やウルシ科の木を見つけたら、触らないように気をつけましょう。