第5回FEEL J 奇数の会 「うるしのうつわ 『めぐる』 を想い味わう 会津の秋」

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漆のお椀をふわりと両手で包みこみ、目を閉じる。
てのひらに伝わる、吸い付くようにしっとりとした質感。
つるりとした表面の、不思議と柔らかな手触り。

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9月29日(火)、会津漆器の魅力を伝え、作り手と使い手をつなぐ、株式会社明天の貝沼航さんをゲストスピーカーとしてお迎えし、第5回奇数の会「うるしのうつわ『めぐる』を想い味わう 会津の秋」を開催しました。

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まずは貝沼さんにお話を伺います。

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縄文時代にはすでに使われていた漆のコト。
会津漆器という伝統工芸を守り育てる作り手たちのコト。
そして、貝沼さんがこの7月に発表した新作、三つ組のうつわ『めぐる』のコト。

めぐる商品写真

『めぐる』のデザインには、視覚障がい者が活動するダイアログ・イン・ザ・ダークのアテンドたちが参加しています。彼女たちの手先、唇の繊細な感性が追求する究極の心地よさと使いやすさ。そしてそれを実現させたのは、会津の職人たちの匠の技。
『めぐる』の器を両手に包むと、その努力の結晶が、てのひらから優しく伝わってくるのです。

もう一つ、貝沼さんと一緒に伝えたかったことがありました。
それは日本産漆の現状について。
漆といえば日本のもの、というイメージがありますが、実は現在、国内の漆の需要のうち、国産で賄われているのはほんの数パーセントしかありません。以前は日本のあちこちに生えていて、漆掻きという仕事が存在していましたが、明治以降、安価な中国産漆に押され、体力と根気を要する仕事をする職人の数も減り、国産漆は次世代に残せるかどうかの岐路に立たされています。
漆は、15年ほど育てた漆の木に傷を付けてにじみ出る樹液です。こうして漆を採取することを「漆を掻く」といいます。ひと夏掻いて、1本の木から採れる漆は牛乳瓶1本分。器に塗るとおよそ10個分。掻いたあとの漆の木は、次の木を育てるために伐採します。
良い漆を採るためには、漆を育てる技術、掻く技術、そしてそれを支える需要、さまざまな要素が必要とされています。

「日本産の漆は本当にきれいです。」
多くの漆と漆器と職人の仕事を見て来られた貝沼さんの言葉にはとても説得力がありました。

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イベントでは、貝沼さんのお話を伺ったあと、実際に『めぐる』の器で’会津ごはん’を食べながら、漆器でいただく食事の幸せを体感。

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この日の’会津ごはん’のメニューは三つ組の『めぐる』に合わせて3品。
- 会津伝統野菜農家 長谷川純一さんのお米と野菜を使って 「小菊かぼちゃと蓮の実の雑穀ごはん」
- 会津のハレの日のごちそう 「こづゆ」
- 秋の味 「会津地鶏とキノコの炒め」

そして、料理を一層おいしくしてくれたのが酒どころ会津の地酒!

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- 末廣酒造の会津伝承山廃純米「末廣」
- 大和川酒造店の会津喜多方純米「弥右衛門」
酒盃はもちろん会津塗。

ちなみに、箸袋は和紙を手折りして作りました。

料理は東北からこの日のために来てくれたカンちゃんとオーガちゃんのチームが担当。

(一社)リンク・リンク・リンクによる、東北食材のプチマルシェもありました。人気は会津の伝統野菜農家、長谷川純一さんが作った会津小菊かぼちゃ。

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お料理も、食材も、器も、丁寧に心を込めて作ったものは、かならず思いが伝わり、幸せを運んでくれます。会場の雰囲気も一気に和やかに賑やかになって、参加者の皆さんからは「美味しい~!」の声とともにおかわり続出。嬉しいです。

そしてさらに嬉しいことに、この日、『めぐる』のグッドデザイン賞受賞が発表されました!

グッドデザイン賞の仕組みや、過去のすべての受賞対象が検索できる「グッドデザインファインダー」など、グッドデザイン賞に関する情報をご紹介するサイトです。毎年1回(4~6月頃)募集する、グッドデザイン賞への応募もこのサイトから行うことができます。

漆の木を育てる人がいて、漆を掻く人がいて、器に塗る人がいて、器を使う人がいる。漆の器は傷んだらまた漆を塗りかえて、直すことができます。直せば親から子へ、子から孫へ、代々伝えてまた使うことができます。しかも、売り上げの一部は会津での漆の植栽に活用されます。
この循環を提案しているのがこの『めぐる』という器です。
http://meguru-urushi.com/

イベント終盤、Q&Aの中で、よい漆器の見極め方や選ぶときの基準などの話もありました。

参加者の皆さんからは、会津に行ってみたい、職人さんに会ってみたい、漆器を使ってみたい、そんなお声をたくさんいただきました。

貝沼さんは「テマヒマうつわ旅」という産地見学ツアーの受け入れも実施しています。

食卓の源流を旅しよう。五感で本物に触れる、特別な漆器の工房体験をあなたに。工房の空気を胸いっぱい吸い込み、うつわが生まれる瞬間に目を奪われ、職人さんの言葉にゆっくり耳を傾ける。さあ、手しごとの世界へ出かけよう。
このイベントをきっかけに、産地に足を運んだり、日本の漆のある暮らしに関心を持ったりする方が、一人でも増えていきますように。

FEEL Jも、会津を、日本の漆を、応援していきます。

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最後になりましたが、

ご参加くださったみなさま、ご協力くださったみなさま、ありがとうございました!

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第5回FEEL J奇数の会「うるしのうつわ『めぐる』を想い味わう 会津の秋」
ゲスト:  株式会社明天 代表取締役 貝沼航氏
共催:   一般社団法人リンク・リンク・リンク
協力:   銀座ファーマーズラボ、日本酒文化を楽しむ会 主宰 杉原英二氏
協賛:   末廣酒造株式会社、合資会社大和川酒造店